DCのダークヒーローといえばバットマンだと思うのですが、そんな彼が「ダークヒーローのままで本当にいいのか?」と考え始めた作品が「ザ・バットマン」です。
復讐に燃えていた男がどうして考えを変え始めたのかを今回は考察を交えながら書いていきます。
主演のロバート・パティンソンって本当に素敵よね。今回の孤独なヒーロー役もミステリアスでよかったわ!
恐怖を植え付けるだけではなんの解決にもならないことに気づく
今回の映画で大きい存在だったのは、作品のメインヴィランであるリドラーという少年。
復讐に関してバットマンを同志だと考え接してきます。
このリドラーの考え・行動こそ、バットマンの方向性を変えるキーマンだったのです。
順を追って考察していきますね。
恐怖でゴッサムシティを平和にできると思っていたバットマン
映画冒頭で「ゴッサムシティ改善計画2年目」と書かれたノートが出てきます。(改善だったかはあやふや…)
2年目ということはまだまだバットマンは新米ヒーローということでしょうか。ため息をついているあたり、計画は順調ではなさそうです。
ゴッサムシティを改善しようと日々悪党を影ながら懲らしめているバットマンですが、恐怖で犯罪を減らす方法が正解なのか疑問に思っている姿が見受けられました。
薄々このやり方では上手くいかないと気づいているのでしょう。
しかしバットマンとして他に方法が見つからずダークヒーローを続けているように感じます。
復讐している姿を俯瞰して見ることで救いになるわけではないことがわかった
そんなある日、市長選挙に出馬していたドン・ミッチェルがリドラーによって殺されます。
ドン・ミッチェルだけではなく、警察の本部長であるピート・サベージや検事のコルソンも次々に殺されていきます。
仕舞にはバットマンであるブルース・ウェインまで標的にされますが、リドラーが狙っている人にはある共通点が。
それは、ブルース・ウェインの父親であるトーマス・ウェインが孤児院を再開発するために投資した10億ドルに群がった人達。
トーマス・ウェインもかつて市長選挙に出馬しており、当選してもしなくても孤児院を再開発するために10億ドルを投資すると言っていたのですが、開票前に何者かによって殺されます。
投資される予定だった10億ドルは孤児院を再開発するために使われることはなく、政治家・警察・検察など地位のある人達が私腹を肥やすために使われていたのです。
なので、孤児であっても父親の膨大な財産で育ってきたブルース・ウェインまでもがリドラーの標的になっていました。
狭くて汚い孤児院で育ち、寒さで命を落とした小さい子どもたちを見てきたリドラーは、嘘をつき自分のことしか考えない人達を許せなかったため、復讐をしていたのでした。
そんなリドラーに「君とは同志」だと言われ、復讐をして悪党に恐怖を植え付けても人を救えるわけではないと気づくバットマン。
ここから彼は変わり始めます。
自分ができることは「影で恐怖を与える」ことではなく、「日の下で困っている人を救う」ことだった
今までのバットマンであれば、影で悪党を成敗してゴッサムを平和にしようとしていましたが、今回の映画の後半では、困っている市民のもとに歩み寄り手を差し伸べ助けていました。
そのシーンの後も、日の下で救援活動を行なうシーンもあります。もちろんバットマンの姿で。
私個人的にすごい衝撃的なシーンだと思います。
過去の作品でもこのような描写は無かったと思います。(記憶違いであればすみません💦)
しかし若きバットマンは今までのやり方を変え、ゴッサムシティの人々に平和をもたらそうとしているのがわかります。
個人的な感想
本当に今までの私の思い描いていたバットマンとは180度違うヒーローの誕生でしたね。
エンドロール中も考えていましたが、今後ロバートバットマンはどういう活動を行なっていくのでしょうか?
「ザ・バットマン」は全3部構成らしいので、あと2作品がどのように描かれていくのか楽しみです。(チャリティーとかに参加しそうな勢いだったし)
エンドクレジットではリドラーと同じ刑務所に入っている謎の囚人が意気投合していましたが、シルエットや会話の雰囲気から想像するに「ジョーカー」ではないでしょうか?
リドラーとジョーカーがタッグを組んだら面倒くさい敵になりそうですね。
私にはリドラーが騙されて利用される未来がすでに見えています…